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えがお歌壇0815

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2020/8/15 9月号 えがお歌壇


こんにちは。今月のお題はまたは自由です。素敵な歌が多くて、迷いながら皆さんの歌よませていただきました。

さっそくお歌をご紹介させていただきます


しゃぼん玉のゆらりとのぼる虹色のはしゃげる子等の手のなかに消ゆ 長田久子

初案は「しゃぼん玉のゆらりとのぼる虹色の はしゃげる子等の手におさまりて消ゆ」シャボン玉が虹色にのぼっていって、子どもたちの手のなかに消えるまでの時間経過が丁寧です。


虹の橋渡りて浄土行く人を迎えし釈迦の心やさしさ 遠山三四藏

虹の橋渡りて浄土行く人を迎えし釈迦の心やさしさ 遠山三四藏 このままいただきました。極楽浄土へ行くひとは虹の橋を渡っていくのでしょう。それを迎える釈迦の心のやさしさを表現されています。内容はこのままで、少しだけ自分にひきつけて歌えるともっといいと思います。


風呼んで揺るる岸辺の糸柳散歩の人の頬をなでをり 遠山三四藏

雰囲気が伝わる一首。糸柳が風を呼んで揺れるという情景がよく伝わります。長い柳なので、実際に散歩している人の頬を撫でたのでしょう。


川中洲コンクリートに亀並ぶ太占(ふとまに)遠く現代の亀 北川幾代

北川さん今回たくさん送っていただきました。ありがとうございます。上手な歌たくさんありましたが、その中から、この歌を素材のインパクトに惹かれて、あえて選びました。太占というのは、骨などを焼いて模様で占う占いです。亀の甲羅を焼く亀卜というのもあるそうですから、現代の亀はそんな占いから遠く、のっそりしていますね。


感染はおさまらずして不穏なりレインボーブリッジ青く浮かぶも  鈴木宗子

ひと世生きて終に見たるは濁流かその一瞬に黙すほかなし 鈴木宗子 コロナ禍の日々の不安をよく歌えています。どちらも甲乙つけがたく、二首選ばせていただきました。不穏な心情だけれども、レインボーブリッジは青く浮かんでいる、そのリアリティを歌った一首目と、下の句に心情がある二首目、どちらもいいです。


鳥たちは姿偽り鳴き続け虹に背を向け泪を零す あくむ来優

このままいただきました。空想の、実態のない世界の痛みをよく歌えていると思います。この「鳥たち」は、なにか罪をおった人間の比喩のようにとれます。そこに自分もかさねられているのでしょう。


作品応募 短歌 題は 

短 歌 の 題

七月末〆 虹

八月末〆 雲

九月末〆 麦

 


 

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