高齢者のフル就業「年金制度が阻害」 内閣府分析、見直せば14万人増
高齢者のフル就業「年金制度が阻害」 内閣府分析、見直せば14万人増 内閣府がまとめた60歳代の就業行動に関する分析結果によると、働いて一定の収入がある高齢者の年金を減らす「在職老齢年金」がなかった場合、フルタイムで働くことを選択する確率は2.1%上昇し、人数換算で14万人分の押し上げ効果があるとした。内閣府は「制度によりフルタイム就業意欲が一定程度阻害されたことが示唆された」として、制度の見直しが重要と訴えている。 この分析は、厚生労働省の「中高年者縦断調査」のデータを用いた。分析の対象期間は2005~15年、分析対象は05年当時に50歳代だった男性の被雇用者とした。 在職老齢年金は、高齢者の月収と年金金額の合計が一定の水準を超えると年金が減る制度。内閣府によると、在職中に年金を受給している場合に同制度による年金停止がなかった場合、フルタイムで働く確率は2.1%上昇した。一方、パートタイムの就業や、働く意欲のある非就業を選ぶ確率は下がった。 同制度をめぐっては、高齢者の働く意欲をそぐとの批判がある。政府の経済財政運営の基本方針(骨太の方針)では同制度を見直すと盛り込んだ。生産年...続く