"認知症"

医療

高齢者の10人に1人は手術の後にボケる!?

インタビュー◎術後認知機能障害を知り、術前に説明を 高齢者の10人に1人は手術の後にボケる!? 秋田大学麻酔・蘇生・疼痛管理学講座講師の合谷木徹氏に聞く 聞き手:小板橋 律子=日経メディカル ★考察 サルコペニアという視点もあるが、術後というよりも入院生活自体が認知症の状態を進めてしまうことは現場ではよく感じたことだ。 必要性はあるのだろうが拘束や服薬過多などから認知症の状態が進むイメージを個人的にもっている。 ここまで考察★ 手術後の安静臥床により、全身の筋肉量が低下するサルコペニアが生じることはよく知られているが、高齢者では認知機能も低下し得ることはあまり知られていない。術後認知機能障害(postoperative cognitive dysfunction ;POCD)と呼ばれる術後合併症について、秋田大学の合谷木氏に聞いた(文中敬称略)。 詳しくはこの文字をクリック
介護

「地域密着型ナース」美作で活躍 高齢者の健康維持支援の十時さん

「地域密着型ナース」美作で活躍 高齢者の健康維持支援の十時さん ●考察 コミュニティーナースの発足者の講義を聞いた経験がある。 自分の親のことについて予防の観点が医療に少ないことで、突然亡くしてしまった、ことがきっかけだ。 その思いを実際の活動につなげていくことでコミュニティーナースが誕生した。 これからは「病気になったから」ではなく「病気にならないための小さな活動」を継続する仕組みを大切にしていく。 同じような考えを高齢者の生活、認知症の対応などに活かしていきたい。 ここまで考察●  地域に密着して住民の健康管理を手助けする「コミュニティーナース」が、人口減少と高齢化が進む美作市上山地区で活躍している。看護師の十時(ととき)奈々さん(42)=福岡県出身。昨年10月の移住後、高齢者宅を毎日のように訪問し、健康維持だけでなく、過疎地域の高齢者の生活を豊かにする存在となっている。一方で雇用が確立されておらず、持続的な活動への不安も抱える。  「どこか痛いところはない?」「昨日は何しとったん」  4月下旬。十時さんが細い山道に車を走らせ、上山地区の中腹で1人暮らしをしている男性(94)宅を訪...続く
介護

(三重県)家族から被害、高止まり 県内16年度、高齢者虐待226件

●考察 養護者(介護者)からの虐待が多い件はこれまでも取り上げられている。 介護の先の見えない不満や、負担や感情への直接的な痛手などがある。 やっていることの閉塞感や達成感がないことも挙げられる。 感情を抑えないとできないこともあるが、まずは介護者自身に知識を伝え、社会的支援を受けながら「根を詰めすぎない介護」をおすすめしたい。 ここまで考察●  三重県内で二〇一六年度に認知した高齢者虐待は二百二十六件(前年度比四件減)あり、うち二百二十二件(同一件減)が家族などの養護者による虐待だったことが県のまとめで分かった。依然として養護者による虐待が多い状況を受け、県は家庭で抱える介護のストレスなどが背景にあるとみて支援に力を入れる。  養護者による虐待の内訳は息子の八十八件が最も多く、夫の五十八件、娘の五十三件が続いた。介護施設などの職員による虐待は前年から三件減り、四件だった。  県長寿介護課によると、養護者による虐待は近年、横ばいで推移している。今回の調査で虐待の理由を回答した四十五件をまとめたところ、上位は「当事者間の人間関係」「介護疲れ・介護ストレス」「被害者の認知症」だった。自宅で...続く
健康

高齢者が転倒したら…速やかにチェックすべき4つのポイント

後々のダメージが深刻になることもある高齢者の転倒。転んだ親本人が対処できないことも多いだろう。家族としては慌てずに、適切な対処をしたいところ。そのために速やかにすべきこと、やってはいけないことを頭に入れておきたい。 「速やかにチェックすべきは骨折や脳の損傷がないかどうかです」と、セコム医療システム取締役 ケアサービス部の武石嘉子さんは言う。 「これらがある場合、動かすことで状態が悪化することがあるので、できるだけ転倒したときの姿勢のまま、 【1】意識の有無 【2】骨折による腫れ、変形、機能障害があるか 【3】嘔吐、出血があるか 【4】痛み、吐き気、不快感があるかをチェックしてください。 1つでも当てはまれば、緊急の処置を要する可能性があります。落ち着いて救急車を呼びましょう」  一見して大きなダメージが見られなくても、簡単に対処不要と判断するのは不安だ。 「頭を打ったときによく発症する硬膜下血腫は、脳からの出血が頭蓋骨のすぐ内側の硬膜下にたまり、脳を圧迫するもの。出血が急激に起こる急性硬膜下血腫は、すぐに意識障害などが起こりますが、ジワジワと血腫ができる慢性硬膜下血腫の場合は、打撲した...続く
交通

レコーダー、作業療法士が解析 高齢者運転外来 大分の病院 /福岡

毎日新聞2018年3月21日 地方版 ★考察 運転力については個人差が大きく、高齢者でも全く問題ない人もいれば、若くて自称「運転がうまい」ひとでも危険な人はいる。 しかしある程度の境目は必要だろう。 実際に運転が危険な人も「納得できれば」免許返納も考えると思う。 しかし運転できないと大きな生活の不安があることも本当だ。 可能なら一人乗りの電気自動車を運転できるように対策を取れば私なら運転免許を返納しても良いと思う。 ここまで考察★ 昨年の自主返納は42万件  高齢ドライバーの事故防止策で運転免許証の自主返納が広がる一方で、運転を続けたい高齢者と、返納を勧める家族との間でこじれるケースもある。そんな中、医療機関で高齢者の日常の運転ぶりを見極め、車との付き合い方を助言する専門職の取り組みが始まっている。【青木絵美】  大分市の井野辺(いのべ)病院は昨年4月からドライブレコーダーを使った「高齢者自動車運転外来」を始めた。対象は、明らかな認知症の診断は付けがたいものの、運転に何らか問題を抱えていたり、家族が心配していたりする外来患者。  診察や記憶能力をみる検査に加え、ドライブレコーダーを1週...続く
健康

3月人口推計 75歳以上、高齢者の半数超 今後も拡大へ

総務省が20日公表した3月1日時点の人口推計(概算値)によると、75歳以上の後期高齢者は1770万人で、 65~74歳の1764万人を上回り、高齢者全体の半数を超えた。人口推計で75歳以上が65~74歳を上回るのは初めて。 75歳を過ぎると寝たきりや認知症など心身が衰えやすくなり、社会保障費の膨張が国と地方の財政を圧迫する中、安定的な医療、介護制度の構築が課題となる。 3月1日時点の総人口(1億2652万人)に占める75歳以上の割合は14.0%。 戦後間もないベビーブーム期に生まれた団塊の世代全員が2025年に後期高齢者になるなど、今後もこの割合は拡大する見込みだ。 推計によると、75歳以上のうち男性は693万人、女性は1077万人。85歳以上は男性173万人、女性387万人の計559万人だった。 年代別の総人口に占める割合は、15歳未満が12.3%、15~64歳が59.8%、65歳以上は27.9%だった。(共同) 詳しくはこの文字をクリック
介護

コーヒー生豆に含まれるクロロゲン酸 高齢者の認知機能改善

クロロゲン酸摂取による高齢者の認知機能改善を実証した自身の論文を手にする加藤准教授  山形県立米沢栄養大の加藤守匡(もりまさ)准教授(44)は15日、コーヒーの生豆などに含まれるクロロゲン酸に、高齢者の認知機能を改善する効果があることを大手食品メーカー「花王」との共同研究で実証したと明らかにした。コーヒー摂取による認知機能改善の報告例はあるが、クロロゲン酸摂取による実証例は初めてという。国際医療科学雑誌に論文が掲載された。  加藤准教授らは2014年8月から半年間、米沢市の65歳以上の男女計8人にクロロゲン酸330ミリグラム入りの試験飲料100ミリリットルを毎日就寝前に摂取してもらい、その前後の認知機能テストで効果を調べた。  8人は全員、テスト前は認知機能の低下を自覚していたが、摂取後に視覚運動機能や注意機能、記憶能力など計15項目をパソコンでテストしたところ、最高で平均20%の改善が示された。特に前頭部の脳がつかさどる注意機能などの改善が顕著だったという。  血液検査では、認知症を引き起こすとされるタンパク質の一種、アミロイドベータが平均27%低下し、言語記憶の改善にも効果が見られ...続く
介護

福祉大国スウェーデン発祥、触れるケア「タクティール」とは

★考察★  私もタクティール講習修了者だ。 実際になんども介護施設で実施してきた。 効果的だと感じる時は 「眠れない」と訴える認知症高齢者さんにケアスタッフがベッドサイドに座り、しっかりと手のひらや腕を撫でさすっているうちにちょっと失礼だが「子供のように」寝入ってしまうことだ。 テキストを年に数回読み直し優しいふれあいを実践している。 ★ここまで考察★  高齢化が進む日本社会において、介護は誰もが避けられない問題だ。特に子が親を介護する際に、意外に大きな壁になるのは、お互いが大人だということだという。助けてもらう親にもプライドがあり、そう思うと、助ける子の方も遠慮がちになる。  でも、体に“触れる”ことには大きな癒しの効果があり、すでに医療や介護の現場でも取り入れられているという。福祉大国スウェーデン発祥の“触れるケア”タクティールケアのインストラクター、原智代さんに聞いた。 「今、日本の病院や介護施設でも行われているタクティールケアは、心地よさと安心感、痛みの緩和をもたらしてくれるケアの手法で、スウェーデンの未熟児ケアの中から生まれました」と、原さん。  発祥が1960年代というから...続く
余暇

『母の家がこみ屋敷 高齢者セルフネグレクト問題』=工藤哲・著

毎日新聞2018年3月4日 東京朝刊  高齢者が体力の低下や認知症でものを捨てることができなくなり、ごみをため込んでしまう「ごみ屋敷」。この問題の背景を追ったノンフィクションである。 ★考察★  この状況を業者さんの好意で体験したことがある。 そこにあるものは 努力 工夫 思いやり  そして「愛」でした。 たくさんのケースが有ると思うが私が見た多くは 怠惰やずる、あまえや適当ではなく仕方なしに少しずつ進んでいくもので その中でなんとか生活を立てていこうという前向きなものでした。 ★ここまで考察★ 詳しくはこの文字をクリック
介護

高齢者運転の事故防ごう 医師や企業、対策を提言 医師会県民健康フォーラム

第9回県医師会県民健康フォーラム(県医師会、琉球新報社主催)が24日、那覇市のパシフィックホテル沖縄で開かれ、約200人が参加した。高齢ドライバーによる交通事故が社会問題となる中、医師や警察、企業からの登壇者3人が、高齢者の交通事故を防ぐための方策を提言した。  琉球大学医学部付属病院精神科神経科講師の外間宏人氏は、記憶障がいを伴うアルツハイマー型など4種類の認知症を紹介。いずれも脳の認知機能の低下により運転に必要な判断力が失われ、交通事故につながる危険性を指摘した。  一方、本人の了解を得ないまま運転免許証を取り上げると鬱(うつ)状態になったり生活機能が低下したりするなどのリスクが高まるとし、「車に代わる移動手段の確保など積極的な対策が必要だ」と訴えた。  県警察本部交通部運転免許課課長補佐の又吉長賢氏は「75歳以上の高齢者による交通事故の比率は75歳未満の2・5倍」と報告し、「本人が認知症を自覚していない場合も多く、運転免許の自主返納には家族らの協力が必要だ。返納後も車の鍵の管理を徹底してほしい」と呼び掛けた。  りゅうにちホールディングス取締役の仲井間勝也氏は、自動車やバスの自動...続く