2019年12月15日えがお俳壇
小春は旧暦十月の異称。小六月とも言います。至福のひとときを楽しみましたか。 次号は「息白し」です。この季語には人が見えます。様々な人間模様など詠み込むと句の幅が 拡がり良い句になると思います。 「息白くやさしきことを言ひにけり 後藤夜半」 御参考までに。
和菓子屋の古き木型や小六月 京子
追ひ越してゆく背の広き小六月 フミ
小春日のそこはかとなき夢見かな たかこ
小春日の猫のあくびの移りけり 賢一
小春かな道は四方へ過疎の里 喜美子
小春日や子のポケットを裏返し 枝葉
大磯の丘より臨む富士小春 啓児
小春日や初老のひとり釣姿 あつ子
飾り窓裸電球点しけり 遠山三四蔵
菊展に話のはずむ月下氷人 豊田衣沙子
木枯を遠ざけて買う宝くじ 容一
白銀のタジマハ―ルや秋高し 清治
訃報また色さえざえと菊膾 いちを
タラップ揚げ豪華客船冬ぬくし 和美
ハイタッチ手袋のまま握手して 玲邦
坂道の歩を止められし金木犀 とみ子
朝顔のもすこし咲いていたいから 征正
俳句の 題
十二月末〆 息白し
一月末〆 雑煮祝ふ
二月末〆 悴む
奮ってご応募お待ちしています。
