政府は16日の閣議で、公的年金の受給開始年齢を70歳超も選べるようにする制度の検討を盛り込んだ高齢社会対策大綱を決定した。厚生労働省で具体的な設計を詰め、2020年中の関連法改正案の国会提出をめざす。公的年金制度の見直しで、意欲や能力のある人が希望すれば長く働けるよう後押しする。

 閣議前に開いた高齢社会対策会議で、安倍晋三首相は「全ての世代が充実した人生を送れるよう取り組んでほしい」と関係閣僚に指示した。

 新たな大綱は「65歳以上を一律に高齢者と見る傾向は現実的でなくなりつつある」と明記。少子高齢化が進み平均寿命も伸びるなか、高齢者の定義を見直す必要性を指摘した。大綱の改定は12年9月以来。

 現在は65歳を原則として、年金の受給開始年齢を60歳から70歳の間で選べる。受け取り開始を65歳より後にする場合、1カ月遅らせるごとに0.7%ずつ毎月の受給額が増える。前倒しする場合は0.5%ずつ減額される。今後は新たに70歳超も選択できるようにし、上乗せ率は現在より上積みする方針だ。

 厚労省は19年の年金の財政検証を踏まえ、社会保障審議会の年金部会で具体的な制度設計を進める。70歳を超えた部分のみ0.7%より高く設定する案と、上乗せ率全体を引き上げる案が浮上している。年齢の上限設定は平均寿命の伸びや想定する利用者の規模、財政負担などを踏まえて検討する。

 現行制度では上限の70歳まで受給開始を遅らせれば月額で42%増える。現在の0.7%の上乗せ率で試算した場合、75歳まで遅らせれば84%と大幅な増額になる。長生きすることを前提にすれば受給開始繰り下げによるメリットは大きくなる。個人の生き方や働き方に合わせた選択の余地を増やす狙いだ。

 生涯現役で働ける仕組みを後押しするため、定年延長や継続雇用に取り組む企業への支援拡充も盛り込んだ。60~64歳の就業率を16年の63.6%から20年に67%まで引き上げる目標を掲げた。就職や起業支援、職場以外で働くテレワークの拡大も目指す。高齢者の移動手段として無人自動運転サービスの実現や、介護ロボットの開発も盛った。

 政府は9日、生活保護法などの改正案を閣議決定した。「貧困ビジネス」の温床と指摘されてきた無料低額宿泊所に対して防火態勢の規制強化や、高齢の生活保護受給者向けの良質な住宅の優遇策などを盛り込んだ。子どもの貧困対策も強化する。

 高齢者の住まいを巡っては、受給者らが入居する札幌市の自立支援住宅「そしあるハイム」で11人が焼死する火災が発生し、貧困高齢者らが安心して暮らせる場の必要性が改めて注目されている。
改正案では、無料低額宿泊所のうち、病院への付き添いや服薬指導などの生活支援も行う施設を新制度「日常生活支援住居」に位置づけ、財政面で支援する。
 併せて、無料低額宿泊所にとどまる施設に対する規制を強化。現在、消火設備や避難訓練の実施などは強制力のないガイドラインに定めているだけだ。これを最低基準として義務づけ、自治体が事業者に改善命令を出せるようにする。また、事業者の届け出を「事業開始1カ月以内」から「事業開始前」へと事前届け出制に改める。いずれも2020年4月施行予定。

 子どもの貧困対策では、大学や専門学校に進学する子どもを対象に進学準備給付金を今年4月にも創設する。自宅生には10万円、親元を離れる場合は30万円。
子どもの学習支援も19年4月に見直す。学習面だけでなく生活習慣への助言など家庭への支援を併せて行うよう改める。家庭訪問や親への相談対応、子どもの居場所作りの役割を強化する狙いだ。

 法改正とは別に、政府は生活保護受給額を10月から段階的に平均1・8%削減する。【熊谷豪】

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 昨年11月に生活保護を受けた世帯は前月より64世帯増え、164万2971世帯だった。7カ月連続の増加で、昨年8月以降、過去最高を更新し続けている。厚生労働省が7日発表した。

 65歳以上の高齢者世帯が増え続けており、特に約9割を占める単身世帯が前月より564世帯多い78万7462世帯だった。現役世代などは減少傾向で、全体の受給者数は前月より791人少ない212万4526人だった。

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現実になることに賛否両論ありそうです。
皆さんはいかかですか?

そんな中で、昨年のニュースではありますが、学生向けの施策も用意されているようです。

介護福祉士を目指す学生に毎月5万円 5年働けば返済免除 政府、予算を拡充へ(出典; Joint介護)

記事によれば、介護福祉士の専門学校に入学する際に20万円、通学期間中に毎月5万円、卒業する際に20万円(就職準備金)を受けられ、国家資格を取って現場で5年以上働けば返済を免除する、という制度のようです。

2年制の場合だと総額160万円、3年生だと220万円、ということで結構大きな額がもらえる計算になりますね。

財源としては、厚労省の補正予算案 によると、14億円を原資として積み増すことになります。

まあ、介護福祉士になるにあたって、学校ルートが「試験有」になった結果、入学者が激減してしまったという失策を過去に行っており、その対応策といった位置づけでしょうか。

過去の記事; 介護福祉士の養成機関で入学数がピンチ!!

厚労省の方々はエリートなので、人は難しい壁があるとチャレンジしたくなるものだ、と思っています。そのため、資格取得が難しくなれば、みんなこぞってそれにチャレンジし、結果として受かった人の社会的評価も上がるはず!という考えだったのでしょう。

ただ、実際のところ、意識が高くはない「普通の人」はやはり難しい壁を用意されたらそれを回避することを考えます。そうすると、受験者も減り、資格の社会的価値も上がりません。

今回の施策で、何とか養成機関の入学者減に歯止めがかかれば、と思います。そのためにはこの制度の周知がまず一番に重要な点かもしれません。

国立社会保障・人口問題研究所が12日に公表した推計では、2040年には高齢世代のすべての女性の4人に1人、男性の5人に1人が1人暮らしになる。

 高齢世代と一口に言っても、その中で1950年には2%程度であった85歳以上の比率が40年には30%近くなる。
それに伴い同年は、死亡数が168万人に達し、出生数との差で年に約100万人ずつの人口減少が始まるという。
未曽有の「少子多死社会」が到来するわけだ。認知症患者はこの年、800万人を超える見通しだ。
単身高齢女性の場合、半数が生活保護基準以下の収入になっていくというシミュレーションもある。
こうしたなかでの1人暮らしの急増なのである。

 支援サービスや居住のかたちなどを転換していくことが急務だ。この国は長い間、介護や子育てを家族まかせにしてきた。
介護保険制度が導入された後も、そのサービスは日中を含めて高齢者に家族がいることを前提にした「家族支援型」が多かった。
1人暮らしの高齢者や、早朝と夜しか家族がいない「日中独居高齢者」への「独居支援型」サービスを強める必要がある。
身の回りの生活支援も不可欠だ。

 そして、こうした支援を生かすためにも、家族と居住の新しいかたちが求められる。
多世帯・多世代が協力し合いながら居住する「長屋型」の集合住宅など、身近で暮らしを支え合うかたちを工夫していく必要がある。

 生涯未婚率が高まる一方、高齢男女の結婚話が浮上すると、財産配分をめぐり親族が反対するともいう。
スウェーデンのように、同居後に取得した財だけを共有するかたちでカップルの同居を奨励する「同居婚」制度を導入することも検討してよいのではないか。

https://mainichi.jp/articles/20180120/ddm/008/070/129000c