(三重県)家族から被害、高止まり 県内16年度、高齢者虐待226件

●考察

養護者(介護者)からの虐待が多い件はこれまでも取り上げられている。
介護の先の見えない不満や、負担や感情への直接的な痛手などがある。

やっていることの閉塞感や達成感がないことも挙げられる。
感情を抑えないとできないこともあるが、まずは介護者自身に知識を伝え、社会的支援を受けながら「根を詰めすぎない介護」をおすすめしたい。

ここまで考察●

 三重県内で二〇一六年度に認知した高齢者虐待は二百二十六件(前年度比四件減)あり、うち二百二十二件(同一件減)が家族などの養護者による虐待だったことが県のまとめで分かった。依然として養護者による虐待が多い状況を受け、県は家庭で抱える介護のストレスなどが背景にあるとみて支援に力を入れる。

 養護者による虐待の内訳は息子の八十八件が最も多く、夫の五十八件、娘の五十三件が続いた。介護施設などの職員による虐待は前年から三件減り、四件だった。

 県長寿介護課によると、養護者による虐待は近年、横ばいで推移している。今回の調査で虐待の理由を回答した四十五件をまとめたところ、上位は「当事者間の人間関係」「介護疲れ・介護ストレス」「被害者の認知症」だった。自宅での介護で起こりやすい家庭内の問題が背景にあることが浮き彫りとなった。

 同課の担当者は「認知症患者も増えており、介護する側のストレスも増えているのではないか。虐待した人に問題があると考えるのではなく、起きた原因と必要な支援を考えることが重要になる」と話す。

 一方、虐待の種類を複数回答で聞いたところ、殴る蹴るといった「身体的虐待」が百六十件で最も多く、暴言などの「心理的虐待」が百九件。金銭など財産を不当に処分したり奪ったりして苦痛を与える「経済的虐待」が五十件、介護・世話の放棄・放任(ネグレクト)が三十八件だった。

 鈴木英敬知事は会見で「高齢者への虐待があることを重く受け止めている。相談窓口でのきめこまやかな支援を市町と連携して行っていきたい」と話した。